東京市ヶ谷、東郷公園に近い九段一の坂の角の『阿づ満や』といううなぎ屋さんへ行きました。
老舗中の老舗、有名な鰻やさんだそうです。
外観はモダンな造りで、その1階と2階をお店として使っています。
中には洋画が飾られ、BGMはクラッシック。坂に面した窓にはカラフルなステンドグラス風のガラスがはめ込まれていました。
でも「鰻屋」なのです。
文化年間に赤坂で創業し、関東大震災で被災したために現在地に移転したと言うことです。
ご主人は4代目。元歌舞伎の女形で、中村吉之助と名のり33年間役者をつとめ、鰻屋を継いだと言うことでした。
初代中村吉右衛門に弟子入りし歌舞伎界ではかなり上にまでのぼった人。「うなぎや」の愛称で親しまれ、惜しまれて引退したと聞きました。
山椒を振りかけ箸を運ぶと、何の苦もなく箸が鰻とご飯を口に運んでくれます。
何という柔らかさ。あっさりとしたたれに舌鼓。美味しい鰻重でした。
「備長炭を使い、タレには水を入れず、ご飯は4つの釜を使用して取り置きをしない、老舗中の老舗」とネットの紹介文に書かれていました。見えないところでいくつもの工夫を凝らして老舗の味を守っているんですね。素晴らしいです。
色白でぽっちゃりした優しい顔立ちのご主人がレジにすわって迎えてくれました。
後ろの壁には活躍していた頃の写真が飾られています。
「お写真撮らせて頂いてよろしいですか」
「はい、どうぞ」と物静かにひと言。気軽に写真撮影に応じてくれました。
このお店、又行ってみたいです。
by K.Terasawa

