行儀作法

私がまだ小学生だった頃のことです。
「え~~~、そんな前のはなし~~」と言わないで下さいね。

授業を終えて近所の友達と一緒に家に帰る途中、給食で余ったコッペパンを食べながら歩いていました。
そこへ同級生の女子が通りかかり、
「あ~~、食べながら歩いちゃいけないんだよ~、先生に言ってやろう!」と言いました。

案の定、友達と私は翌日のホームルームの時間に教室の前に呼ばれ随分と叱られたのです。
「この馬鹿者が~~~!前に出てこい!」と言われ、平手で左の頬を打たれたのを覚えています。
・・・・・ひどい!
今なら「この暴力教師、訴えてやる~!」と言うところでしょうが、当時、先生は尊敬すべき人でしたから文句を言うなんてことは頭に浮かびませんでした。

こんな風に、ものを食べながら歩くということは行儀の悪いこととされ、きつく禁じられていたのです。
さて、今はどうでしょうか。

ファーストフードがはやり、テーマパークでもスティック状のお菓子などが販売されています。
ファッション感覚で歩きながら何かをするのは、もう当たり前のことになってしまいました。

電車の中で電話をかけたり、化粧をしたり・・・変われば変わるものです。
つい先頃新幹線で移動中、佐久平から乗って私の隣に座った鮮やかなブルーのミニスカートをはいた女性は、席に座るやいなやB5版ほどの大きな鏡を取り出して高崎駅で降りるまでの間中、お化粧に専念していました。
「行儀作法」や「詫び寂び」を重んじてきた日本の良さはどこかへ吹っ飛んでしまいましたね。

いやはや・・・良いのか悪いのか・・・この頃分からなくなってしまいました。

by K.Terasawa


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