「親鸞」-五木寛之-

五木寛之さんの「親鸞」(上下巻2冊)を大変面白くワクワクしながら読みました。
今から800年も前の時代ですが、巧みな文章によって情景を思い浮かべながら読むことができました。

平安末期から鎌倉に変わって行く混迷の時代。
8才の少年親鸞が、悩み苦しみ迷い、多くの人たちの力を借りながら成長して行く様子を描いています。

河原坊浄寛(かわらぼうじょうかん)、法螺坊弁才(ほうらいぼうべんさい)、そしてツブテの弥七(やしち)の三人との出会い・・・この3人は最後まで親鸞を影で支えて行きます。
殺人貴公子六波羅王子(ろっぱらおうじ)との戦い・・・この残酷な悪人は最後の最後まで親鸞を付け狙います。
美しき謎の女玉虫(たまむし)、六角堂であった不思議な女紫野(しの)、紫野の妹鹿野(かの)・・・高貴でもあり妖しくもあり、女性陣はとっても重要です。
安楽坊遵西(あんらくぼうじゅんさい)は敵でもあり、また法然上人の教えをひろめる同士でもあり複雑な設定。
頼りになる犬丸と心優しきサヨの夫婦は、登場するとなんとなく落ちつく存在です。

これらの登場人物に、法然上人や時の法王などをからめて、越後(上越)へ配流されるまで息を継がせぬ展開で進んでゆきます。
最初の闘牛のシーン、六波羅王子との緊迫した戦いは見事な描写で圧倒されました。

夜の更けるのも忘れて読み続けました。心に残る小説です。

by K.Terasawa


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