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スギハラ・ダラー

2010 年 4 月 16 日(金曜日) Posted in 総務部 | No Comments »

手嶋龍一氏のインテリジェンス小説「スギハラ・ダラー」、前作「ウルトラ・ダラー」から4年、待ちに待った第2弾が出版されました。 早速、胸躍らせながら読みすすむと、もう止まりません。 杉原千畝氏による命のビザによってシベリア鉄道に乗り日本経由でアメリカに逃れ、金融先物取引を世に送り出したアンドレイ・フリスク。彼が神戸で過ごした時に友情を育んだ松山雷児、そしてアンドレイの幼なじみの美少女ソフィー。70年の歳月のなかで三人が果たしてきた役割をイギリス情報部員スティーブン・ブラッドレーが絡み合った糸を紐解いて行くのです。 手嶋氏が集めた多くの国際情報を駆使し、現実の出来事と重ね合わせて組み立てられた見事な小説だと思いました。 そしてこの物語の登場人物に、それぞれ実在のモデルがいるのです。これは読んで確かめてください。 この小説を書くためにどれだけの時間とお金をかけたのでしょう。 金沢・神戸・札幌など日本国内はもとより、ポーランド・リトアニア・スコットランド・上海・パリ・スリランカと、めまぐるしく変わる舞台も綿密な取材なしでは描けない情景ばかり。 普通の小説家と違って、手嶋氏はその職業柄(元NHKワシントン支局長)、取材方法等には長けているのでしょうが、それにしてもこの本に出てくる情報量のなんと多いことか! それらが縦横の糸となって見事な情景を展開してくれます。 何処まで真実で、何処までがフィクションなのか・・・分からなくなってしまいます。 前作「ウルトラ・ダラー」の出版後、マカオの銀行にある北朝鮮の資金が凍結されるなど、「描かれている内容が現実に後追いしている」と、何かの書物に書いてありました。 「スギハラ・ダラー」にも、こうした近未来を予測する符号が隠されているのかも知れません。 もう一度読み返してみようと思います。 by K.Terasawa Read more..